公開日2020.06.19 /更新日2020.06.22

個別機能訓練加算Ⅱが返戻にならないためには?

個別機能訓練加算Ⅱの趣旨について

厚生労働省によると、個別機能訓練加算Ⅱの趣旨は、以下のように定義されています。

ア 個別機能訓練加算(Ⅱ)は、専従の機能訓練指導員を配置し、利用者が居宅や住み慣れた地域において可能な限り自立して暮らし続けることができるよう、身体機能の向上を目的として実施するのではなく、①体の働きや精神の働きである「心身機能」、②ADL・家事・職業能力や屋外歩行といった生活行為全般である「活動」、③家庭や社会生活で役割を果たすことである「参加」といった生活機能の維持・向上を図るために、機能訓練指導員が訓練を利用者に対して直接実施するものである。

イ 生活機能の維持・向上のための訓練を効果的に実施するためには、実践的な訓練を反復して行うことが中心となるため、身体機能を向上とすることを目的とした機能訓練とは異なるものである。実際の生活上の様々な行為を構成する実際的な行動そのものや、それを模した行動を反復して行うことにより、段階的に目標の行動ができるようになることを目指すことになることから、事業所内であれば実践的訓練に必要な浴室設備、調理設備・備品等を備えるなど、事業所内外の実地的な環境下で訓練を行うことが望ましい。 従って、例えば、単に「関節可動域訓練」「筋力増強訓練」といった身体機能向上を中心とした目標ではなく、「週に1回、囲碁教室に行く」といった具体的な生活上の行為の達成が目標となる。また、居宅における生活行為(トイレに行く、自宅の風呂に一人で入る、料理を作る、掃除・洗濯をする等)、地域における社会的関係の維持に関する行為(商店街に買い物に行く、孫とメールの交換をする、インターネットで手続きをする等)も目標となり得るものである。

 
出典:「通所介護及び短期入所生活介護における個別機能訓練加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示について」

個別機能訓練加算Ⅱが返戻になり得るケース

個別機能訓練加算Ⅱに実施指導で指摘を受けやすい事項に、ご利用者さまの生活背景を捉え切れていないといったものがあります。具体的な指摘事項としては「ご利用者さまへのアセスメントが薄い」といったものです。下記のご利用者さまAさんのケースを参考にしてみてください。

≪入浴をしたいAさんのケース≫

ある機能訓練指導員Hさんは、新規のご利用者さまAさんの個別機能訓練加算Ⅱの訓練計画書を作成しようと考えています。そこで、機能訓練指導員HさんはAさんの生活背景を知るためにヒアリングを実施しました。するとAさんから「入浴がしたい」というニーズを聞き取ることができました。Aさんは下肢の関節可動域が狭いため、浴槽を跨ぐことが困難であると判断しました。そこで、下肢の関節可動域を広げる訓練計画を立てました。

ある日、機能訓練指導員Hさんが勤務しているデイサービスに実地指導が入りました。実施指導員からAさんの個別機能訓練加算Ⅱの訓練は不適切であると指摘をされました。その理由は、Aさんは医師から入浴を控えるように指示が出ているからという内容でした。

機能訓練指導員Hさんは、慌ててAさんに関わる利用者調書の情報を確認したところ、医師からの指示の記載を見落としていることに気が付きました。入浴が制限されているAさんが、いくら下肢の関節可動域を広げる訓練をしても入浴することには結びつきません。

Aさんのケースの教訓は、機能訓練指導員Hさんが「ニーズ」と「現状」を切り分けて考えることができなかったことです。たしかに「入浴がしたい」というAさんの「ニーズ」はあります。

しかし、入浴が制限されている「現状」もあります。機能訓練指導員Hさんは「入浴がしたい」というAさんの「ニーズ」はくみ取れましたが、入浴が制限されている「現状」を把握できなかったために実地指導で指摘される結果となったのです。

気をつけるポイントは「主観的情報と客観的情報を組み合わせて判断すること」

個別機能訓練加算Ⅱの趣旨は、ご利用者さまの生活機能の維持・向上を図ることにあります。ご利用者さまの生活背景はバラバラです。ご利用者さまの生活背景をくみ取る際は、頭をやわらかくして固定観念を持たないことがポイントです。

例えば、「入浴できること」は当たり前ではありません。ご利用者さまのヒアリングなどから得られる主観的情報と、ケアプランなどの書面から得られる客観的情報を組み合わせた情報を基に、ご利用者さまの生活背景をアセスメントすることで、根拠のある訓練計画を立てることができます。

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