介護施設における見守りとは?目的や方法・見守り支援のツールを紹介

お役立ち情報

「見守りとは何か?」
あらためて考えてみると、目的や方法に悩むこともあるはず。介護職として利用者の生活を支援するには、しっかりと見守りをおこなうことが大切です。また、最近では、高齢者の生活を見守るさまざまな福祉機器が販売されています。介護の専門性を高める上で、最新の福祉機器を知りたいという人もいるでしょう。
そこで今回は、介護施設における見守りの目的・方法を説明するとともに、見守り支援ができる福祉機器についてお伝えします。

「見守り」とは?

見守りとは、介護者が要介護高齢者・障がい者のそばについて、いつでも必要な援助をおこなえる態勢をとる介助方法です。利用者の身体に触れず、介護者がご本人の言動や様子を観察するのが見守りの特徴です。
見守りには、主に3つの目的があります。

①事故を防止する
転倒や転落・誤嚥といった介護事故を防ぐことができます。例えば、ふらつきながら歩行している方がいた場合、介護者がそばで見守っていれば、万一転倒しそうになってもご本人の体を支えることで未然に事故を防げます。

②急変に備える
要介護高齢者・障がい者は、基礎疾患(持病)を持っている方が少なくありません。時には、急な体調不良を起こすことも。利用者の急変が予想される時にも、見守りによる介助がおこなわれます。

③利用者の能力を引き出す
介護者が見守るというのは、言い換えれば対象者が自力で活動する範囲が増えるということです。食事やトイレ・入浴動作など、介護者が身体的な援助をせずあえて見守ることで、対象者からすれば、安全な環境下で生活動作の練習をする機会がつくれるのです。

介護における上手な見守りのコツ

見守りをするには、利用者に付き添い、単に動作や様子を見ていることだけでは不十分です。これでは、利用者の事故や急変に対応できませんし、ご本人の能力アップにも繋がらないからです。適切に見守りをおこなうには、どのようにすべきか?つづいては、介護における上手な見守りのコツを解説します。

見守りの目的を把握する

見守りの目的は、利用者ごとに異なります。それというのも、利用者により、介助が必要な動作や状況が違うからです。例えば、異食のリスクがある利用者には、居室やデイルームでの様子を常に見守る必要があります。また、認知機能に問題ないけれども歩行時にふらつきのある利用者には、転倒防止のために移動時の見守りが欠かせません。
どのような介護施設でも、介護士や看護師・リハビリ専門職・ケアマネジャーなどのケアに関わる職種で、見守りの目的が必ず設定されています。まずは、「誰の」「どの動作に」「何の目的で」見守りが必要か、ケアの内容を確認しましょう。

利用者の心身機能や動作能力を理解する

要介護高齢者や障がい者と一口に言っても、心身機能や動作能力の状況はさまざまです。適切に見守りをおこなうには、利用者それぞれの心身機能や動作能力を理解することが大切です。
ひとりで立ったり座ったりできるのか、手すりを握っていられるか、ふらつくことなく歩行できるか、食具を自力で口元に運べるか、むせることなく食物を飲み込めるかなど。利用者の心身機能や動作能力を理解すれば、どのような場面を重点的に見守れば良いのか、介護士として自分で判断することができます。
ただし、利用者の心身機能や動作能力を正確に理解するのは、職員ひとりの力では難しいものです。正確に理解するためにも、ほかの介護士と話し合ったり、看護師やリハビリ専門職などと情報交換したりできると良いでしょう。

利用者の動きを予測する

利用者の動きを予測しながら見守りをすることで、介護事故を防ぎやすくなります。利用者の動きは、ご本人の習慣や希望からある程度の予測を立てることができます。
例えば、歩行時に右側へふらつきやすい利用者であれば、右側から見守ることで転倒が防ぎやすいです。あるいは、トイレが近くなると落ち着きがなくなる利用者であれば、落ち着きのない様子が見られた時に介護士から声かけするのも、事故防止に効果的です。
利用者の習慣や希望を踏まえ、ご本人の動きを予測してみると、先まわりして事故を防いだり、必要な介助を提供したりすることができます。

事故や急変が起こった時の対処方法を知る

介護施設で働いていれば、キャリアに関わらず、誰もが事故を起こしたり急変に立ち会ったりするものです。事故や急変に動揺せず、その時に必要な行動を起こすには、事業所で決められている対処方法を知っておくことが重要です。
現場で何をすべきか、誰に協力を仰ぐべきか、事後報告はどうすべきかといった対処方法をしっかりと身につけていれば、事故や急変を恐れず、自信を持って介護業務に取り組めるでしょう。

見守りを支援する福祉機器

見守りが必要な利用者がいる時には、常に介護職員の目が届く範囲で過ごしていただくことが望ましいですが、介護職員が不足していたり、夜間帯であったりと、難しいケースもあるでしょう。そうした場合は、福祉機器を活用するのもひとつの方法です。ここからは、見守りを支援する代表的な福祉機器を紹介します。

①センサーマット
ベッドや床などに敷いて使用するセンサーマットは、利用者の体重の変化をセンサーが感知し、音で知らせる福祉機器です。使用方法が簡便であり、購入・レンタルともに商品が数多くあり、介護施設でよく活用されています。起き上がりや立ち上がり動作に時間を要す利用者向きの機器です。

②超音波・赤外線センサー
超音波・赤外線センサーは、壁や家具にセンサーを取り付け、利用者が通過したことを知らせる機器です。利用者の動きを知るのに便利である反面、ご本人以外が通過した場合も反応してしまうデメリットがあります。

③バイタルセンサー
利用者の体動や心拍・呼吸を検知するセンサーをベッドマットレス上に敷き、ご本人の動きを検知するのがバイタルセンサーです。センサーマットと似た形状ですが、心拍や呼吸といった生体情報が検知でき、ご本人の体調不良にも気づきやすい機器となっています。

④人感センサー
人感センサーは、体温に反応し、利用者の動きを検知する機器です。ベッドからの起き上がりや立ち上がりなど、特定の範囲でご本人の動きに変化があった際に、センサーが検知し、介護士に音などで知らせます。

⑤シルエットセンサー
シルエットセンサーは、ベッド上などにカメラを設置し、利用者の動きを見守る機器です。プライバシーに配慮し、介護士は、利用者の動きをシルエットで確認。ほかの見守り機器に比べると、体の動きを目視できるため、離れた場所にいる利用者の動きをよりリアルに把握することができます。

⑥スマートバンド
自立度が高いため、睡眠状態や心拍などの全身状態を見守りたいという場合には、スマートバンドがあります。時計のように手首に装着するスマートバンドは、利用者自身が自分の体調を把握することに使用されるほか、介護者が健康状態をチェックするためのツールとしても活用されています。

利用者に寄り添い、安全かつできる限り自立した生活の支援を

見守りは、要介護高齢者や障がい者が、安全に生活を送るために必要となる介護技術です。介護士として、適切な方法で見守りをおこなうことができれば、事故や急変を防いだり、利用者の能力アップに貢献できたりします。
どのような活動に、どういった援助を求めているか。利用者それぞれに必要な見守りを見極めるためにも、職員間で話し合ったり、ご本人の情報を整理したりしてみましょう。

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