インセンティブ交付金とは?導入された経緯や制度内容を紹介

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インセンティブ交付金は、都道府県や市区町村による、高齢者の自立支援・重度化防止等の取り組みを推進するために設けられた交付金制度です。正式には、保険者機能強化推進交付金・介護保険保険者努力支援交付金と言い、それぞれ平成29年度・令和2年度に創設されました。
新年度に向け、交付金制度の導入を開始する自治体が増えています。介護事業者としては、制度内容が気になるところです。
そこで今回は、インセンティブ交付金制度が導入された経緯をお伝えするとともに、制度内容を紹介します。

インセンティブ交付金とは?

平成29年度の介護保険法改正では、地域包括ケアシステムが強化されました。その一環として、高齢者の自立支援・重度化防止に向けた取り組みを推進するための交付金が創設されました。それが、保険者機能強化推進交付金です。さらに、現行の保険制度における介護予防の位置づけを高めるために、令和2年度に介護保険保険者努力支援交付金が創設されました。
この保険者機能強化推進交付金と介護保険保険者努力支援交付金は、一般的に「インセンティブ交付金」と呼ばれます。

インセンティブ交付金の導入経緯・制度内容

従来の介護保険制度では、利用所の要介護度が下がると、事業所が得られる介護報酬も下がる一方でした。例えば、歩行ができるようになると要介護度が下がったり、移動の介助が不要になったりします。そうなると、提供するサービスが縮小し、事業者としては利益が減ってしまっていたのです。このように、従来の介護保険制度では、介護事業者は、経営の観点から利用者の介護度改善に進んで取り組みにくい状況でした。
そうした問題を解決するため、国は、高齢者の自立支援・重度化防止の取り組みに対し、インセンティブ(報奨金)を支払うことにしたのです。

国は、①市町村がおこなう自立支援・重度化防止の取り組み ②都道府県がおこなう市町村の取り組みへの支援に対し、客観的な評価指標を設定し、その達成状況に応じてインセンティブを支払うことにしています。国が定める評価指標は、市町村・都道府県用に分かれています。以下は、令和4年の市町村・都道府県の評価指標です。

【市町村】
Ⅰ PDCAサイクルの活用による保険者機能の強化に向けた体制等の構築
Ⅱ 自立支援、重度化防止等に資する施策の推進
Ⅲ 介護保険運営の安定化に資する施策の推進

(参照元 厚生労働省|令和4年度保険者機能強化推進交付金・介護保険保険者努力支援交付金に係る評価指標(市町村分)

【都道府県】
Ⅰ 管内の市町村の介護保険事業に係るデータ分析等を踏まえた地域課題・地域差の把握と支援計画
Ⅱ 自立支援・重度化防止等、保険給付の適正化事業等に係る保険者支援の事業内容
Ⅲ 管内の市町村における評価指標の達成状況による評価

(参照元 厚生労働省|令和4年度保険者機能強化推進交付金・介護保険保険者努力支援交付金に係る評価指標(都道府県分)

インセンティブ交付金制度の運用状況は?

インセンティブ交付金の運用状況は、市町村・都道府県でまちまちです。積極的に運用している自治体もあれば、これから本格的な運用を検討・開始する自治体もあるのが現状です。しかしながら、令和5年度には東京都でもインセンティブ交付金の制度を導入する方針が決まりました。そうした状況を踏まえると、今後は、多くの自治体でインセンティブ交付金の制度が導入されることが見込まれます。

自治体により制度設計も異なる

インセンティブ交付金制度は、市町村・都道府県で制度設計も異なります。
例えば、神奈川県川崎市では、「かわさき健幸福寿プロジェクト」のなかで、要介護度の改善に寄与した事業者にインセンティブを支払っています。川崎市の場合は、市内にあるすべての介護保険指定事業者が対象で、要介護度やADL等が改善した際に利用者一人あたり5万円を交付。そのほかに、市長の表彰や認証シール配布などもおこなっているのが特徴です。
また、東京都品川区では「品川区要介護度改善ケア奨励事業」をおこない、要介護度の改善が認められた特別養護老人ホーム等の高齢者施設に対して、当該利用者一人あたり数万円の奨励金を交付しています。
このように、各自治体では、独自にインセンティブ交付金の運用・制度設計をおこなっています。介護事業者としては、管轄する自治体の状況をチェックし、交付金制度の有無や内容を確認していくことが大切です。

進んで介護度改善に取り組む体制が求められる

今回は、高齢者の自立支援・重度化防止を目的としたインセンティブ交付金の制度についてお伝えしました。
介護度改善に対してインセンティブが支払われるようになり、今後もますます積極的な介護サービスの提供が求められていくことが予想されます。介護事業者としては、介護度改善が見込めるケースに対して、リハビリや生活支援の体制を強化していきたいものです。

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