デイサービスの稼働率をアップするには?計算式から具体的な対策を紹介

お役立ち情報コラム

 

稼働率は、デイサービスの売上をあげる重要な要素です。稼働率がアップできれば、売上があがった分、スタッフに還元したりより良いサービスを提供したりすることもできます。

稼働率をアップするには、利用者を増やすための対策が必要です。ここでは、デイサービスの稼働率の計算方法を説明するとともに、稼働率をアップするための具体的な対策を紹介します。

 

デイサービスの稼働率とは?

デイサービスの稼働率とは、事業所の利用定員に対する実際の利用割合のことです。稼働率は、日次・月次単位で計算するのが一般的で、それぞれ次の計算式で求めることができます。

 

【日次】

稼働率=1日の利用者数÷1日の利用定員数

<例:1日の利用定員数が40名のデイサービスでは、実際の利用者数が30名であった場合、その日の稼働率は30÷4075%となります。>

 

【月次】

稼働率=1ヵ月の延べ利用者数÷1ヵ月の営業日数×1日あたりの利用定員数)

<例:1日あたりの利用定員数が40名のデイサービスでは、1ヵ月の営業日数が25日、1ヵ月の延べ利用者数が750名であると、その月の稼働率は750÷(25×40)=75%となります。>

 

稼働率がアップすれば売上が上がりますし、逆にダウンすれば売上が下がってしまいます。

なお、WAM(福祉医療機構)の「通所介護の経営状況について」によれば、令和3年度のデイサービスの平均利用率(稼働率)は、大規模型(Ⅰ)・(Ⅱ)が74.7%でもっとも多く、次いで地域密着型が73.5%、通常規模型が68.4%となっています。

 

稼働率をアップするための方法

稼働率をアップするには、1日または1ヵ月あたりの利用者数を増やすことが大切です。ここからはデイサービスの利用者数を増やし、稼働率をアップするための方法を紹介します。

 

振替利用を促す

デイサービスでは、病院受診や外出などの理由で、利用をキャンセルされるケースが多いです。特別な事情があってキャンセルされるのは仕方ありませんが、キャンセルの件数が増えるほど、稼働率が下がってしまいます。

利用者からキャンセルの希望があった場合には、振替利用を勧めましょう。1日の利用定員数を超えない日であれば、キャンセルされた方に振替利用してもらうことが可能です。振替利用してもらえると、キャンセルした分の損失を回避することができます。

介護サービスを提供する観点からも、振替利用してもらうほうが利用者の活動量を確保できますし、生活機能の維持・改善を図りやすいものです。

 

居宅介護支援事業所・地域包括支援センターに営業する

新規の利用者を獲得するには、居宅介護支援事業所・地域包括支援センターへの営業活動が効果的です。

居宅介護支援事業所は、要介護者が自宅で自立した生活を送るために、ケアプランの作成やサービスの調整を行っています。地域包括支援センターは、地域住民の健康維持や生活安定のためにいろいろな支援を行う施設です。

これらの施設にはケアマネジャーが在籍しており、必要に応じて、デイサービスの利用をケアプランに組み込んでいます。デイサービスの利用者を増やすには、まずは紹介元となるケアマネジャーに事業所の存在を認知してもらったり、事業所の特長を理解してもらったりすることが大切です。

 

SNS・ホームページ・ブログで情報発信する

デイサービスの利用者である高齢者やその家族である中年層のインターネット利用率は、年々増加しています。また、ケアマネジャーのなかには、デイサービスの雰囲気やサービス内容などを知るために、SNS・ホームページ・ブログをチェックする方もいます。そのため、利用者・家族・ケアマネジャーにデイサービスをアピールするために、SNS・ホームページ・ブログで情報発信するのもひとつの方法です。

ただし、これらの情報発信は、管理者・現場職員が力を入れすぎると、管理業務や介護業務の妨げとなりかねません。例えば、デイサービスで行ったイベントの報告や新しい設備の紹介など。情報発信は、日常業務に支障のない範囲で行うことがおすすめです。

 

安定経営に向け稼働率をアップさせる

厚生労働省の「介護サービス施設・事業所調査の概況」によれば、全国のデイサービス(通所介護)の事業所数は、令和3101日時点で24,428カ所となっています。地域によっては、デイサービスの数が飽和状態になっていることも示唆されています。そのため、事業者として、経営を安定させるには積極的な対策が必要です。

とは言え、利益だけを重要視しても、職員の協力が得られなかったり業務量が増えすぎてしまったりするので、現場ともしっかり意識を共有しながら稼働率アップを図りましょう。

 

(参照元 厚生労働省|令和3年介護サービス施設・事業所調査の概況

 

ケアの質向上と現場の働きやすさのために

デイサービス業界では、利用者の自立支援・重度化防止を目指した質の高いサービス提供とともに、人材の確保・生産性の向上といった課題が山積しています。事業者には、利用者にも介護従事者にも選ばれるより良い環境づくりが求められています。

しかしながら、デイサービスの業務は、日々の記録から利用者へのケア・送迎など業務量が多く、煩雑です。また、3年ごとに介護保険制度が改定されるため、それに合わせて体制を変えていく必要もあります。利用者やスタッフのために環境を整えたくても、課題が多く悩まれている方も多いのではないでしょうか。

弊社では、デイサービス向けに介護ソフト「はやまる」を提供しています。介護保険請求に加え、日々の記録・計画書作成・連絡帳・送迎管理・勤怠管理・売上予測管理など、デイサービスの業務全般をカバーする機能を搭載しています。「はやまる」を導入することで、デイサービスの業務全般を効率化でき、日々のケアに集中しやすくなるとともに、現場の働きやすさを向上することが可能です。

無料デモ・無料ヒアリングは随時受付中です。ホームページから詳しい資料をダウンロードしていただけますので、ぜひこの機会に導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

 

プロフィール

田口 昇平

作業療法士/福祉住環境コーディネーター2級/取材ライター

作業療法士免許取得後、東京都内のリハビリ専門病院や介護施設などに勤務。

2018年よりフリーライターに転身。医療介護従事者への取材をしながら、現場の業務改善や労働環境づくりなど幅広いテーマで執筆。