デイサービス経営|利益率アップにつながる3つのポイント

お役立ち情報コラム

デイサービスの利益率をアップするには、どのようにすれば良いのでしょうか?
福祉医療機構(WAM)が報告した「通所介護の経営状況について」によると、令和3年度のデイサービスの赤字施設割合は41.9%となっています。赤字決算とまでいかないまでも、事業所を維持したり、事業を拡大したりするには利益率アップが必要です。
ここでは、デイサービス業界の現状を説明するとともに、利益率アップにつながるポイントについてお伝えします。

厳しさを増すデイサービス経営

近年、デイサービス(通所介護)は事業所の数が増え、「経営が厳しくなっている」と言われます。厚生労働省の「介護サービス施設・事業所調査の概況」によれば、平成29年度には23,597事業所だったデイサービスの事業所数が、令和3年度には24,428事業所に増えています。

(参照元 厚生労働省|令和3年介護サービス施設・事業所調査の概況厚生労働省|令和2年介護サービス施設・事業所調査の概況厚生労働省|令和元年介護サービス施設・事業所調査の概況厚生労働省|平成30年介護サービス施設・事業所調査の概況厚生労働省|平成29年介護サービス施設・事業所調査の概況

事業所の数が多くなるとともに倒産するデイサービスも増えています。倒産する原因のなかには人手不足などの理由もありますが、稼働率が低かったり、経費がかさんだりといった資金不足で倒産するケースも多いです。

利益率アップにつながる3つのポイント

経営を安定させるには、利益率アップが必要です。売上が上がっても経費がかさむと手元に残る資金が減ってしまいますし、経費が削減できても売上が上がらなければ資金不足に陥ります。ここからは、デイサービスの利益率アップにつながる3つのポイントを紹介します。

稼働率をアップする

まずは、デイサービスの稼働率をアップすることです。稼働率とは、1日あたりにデイサービスを利用できる最大人数に対し、実際に何人が利用したのかを割合にしたものです。ある1日の稼働率は「1日の利用者数÷1日の利用定員数」、1ヵ月の稼働率は「1ヵ月の延べ利用者数÷(1ヵ月の営業日数×1日あたりの利用定員数)」で計算します。
「稼働率がアップする」ということは、デイサービスの利用者または延べ利用者数が増え、売上がアップすることを意味します。例えば、地域のケアマネジャーに営業をかけて新規利用者を獲得したり、キャンセル希望の利用者に振替利用を促したり。可能な限り利用定員数を満たすよう対策すれば、稼働率がアップし、売上を伸ばすことができます。

加算を取得する

デイサービスでは、「個別機能訓練加算」「生活機能向上連携加算」など、基準を満たすことでさまざまな加算を算定することが可能です。例えば、個別機能訓練加算を算定すれば、最大で利用者1人あたり105単位/日の売上アップが図れます。
加算を取得する場合には、加算取得による売上と加算取得に必要な人件費に注意しましょう。加算を取得するために専門職の人数を増やしても、利用者数が少ない(稼働率が低い)状態であれば、人件費のほうが高くなり事業所の利益が減ってしまうこともあります。

人件費率を見直す

介護職員・看護師・機能訓練指導員など、利用者に適切な介護サービスを提供するには専門職が必要ですが、利用者に対して専門職の数が多すぎるというケースも少なくありません。福祉医療機構(WAM)が報告した「通所介護の経営状況について」によれば、デイサービスのなかでも黒字事業所の人件費率は61.3%であったのに対し、赤字事業所の人件費率は77.9%であったというデータもあります。人手不足のイメージが強いデイサービス業界ですが、人員配置が過大になっていないか注意が必要です。
なお、人件費率の計算式は、「人件費率(%)=(人件費÷売上)×100」になります。

利用者・スタッフのことも考えながら、長期的な視点で利益追求を

今回は、デイサービスの経営について、利益率をアップするポイントを紹介しました。利益率をアップすることができれば、今後も安定して事業を進めることが可能です。
ただし、経営のためとは言え、利用者・スタッフのことをないがしろにしてしまうと、サービスの質が低下したり離職者が増えたりして、長い目で見た時に経営が悪化してしまうとも限りません。
利用者・スタッフの理解を得ながら、長期的な視点で利益を追求していきましょう。

ケアの質向上と現場の働きやすさのために

デイサービス業界では、利用者の自立支援・重度化防止を目指した質の高いサービス提供とともに、人材の確保・生産性の向上といった課題が山積しています。事業者には、利用者にも介護従事者にも選ばれるより良い環境づくりが求められています。
しかしながら、デイサービスの業務は、日々の記録から利用者へのケア・送迎など業務量が多く、煩雑です。また、3年ごとに介護保険制度が改定されるため、それに合わせて体制を変えていく必要もあります。利用者やスタッフのために環境を整えたくても、課題が多く悩まれている方も多いのではないでしょうか。
弊社では、デイサービス向けに介護ソフト「はやまる」を提供しています。介護保険請求に加え、日々の記録・計画書作成・連絡帳・送迎管理・勤怠管理・売上予測管理など、デイサービスの業務全般をカバーする機能を搭載しています。「はやまる」を導入することで、デイサービスの業務全般を効率化でき、日々のケアに集中しやすくなるとともに、現場の働きやすさを向上することが可能です。
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プロフィール

田口 昇平

作業療法士/福祉住環境コーディネーター2級/取材ライター

作業療法士免許取得後、東京都内のリハビリ専門病院や介護施設などに勤務。

2018年よりフリーライターに転身。医療介護従事者への取材をしながら、現場の業務改善や労働環境づくりなど幅広いテーマで執筆。