人材不足や煩雑な業務で忙しくなりがちなデイサービス。管理者としては、事業所の業務を効率化し、可能な限り生産性を向上したいものです。とは言え、闇雲に効率化を図っても現場を混乱させ、かえって生産性を下げてしまいかねません。
現場をうまく回すには、どのようにすれば良いのでしょうか?ここでは、管理者が行うべきデイサービスの業務効率化に向けた効果的な方法を紹介します。
生産性を向上させるには業務の見直しが必要
介護労働安定センターの「事業所における介護労働実態調査(令和3年度)」によれば、介護事業所の人材過不足状況について、『大いに不足』と回答した事業所は全体の8.5%、『不足』は21.5%、『やや不足』は33.0%、『適当』は36.6%、『過剰』は0.4%でした。
人材不足の状況では、少ないマンパワーで業務量をこなしたり、サービスの質を維持したりしなければならないため、現場をうまく回すのが難しく感じられるものです。
とはいえ、採用を強化しても、すぐに求めている人材が集まるものでもありません。また、人材不足が解消できたからといって、業務が円滑に回るとも限らないでしょう。
一方で、介護現場では、非効率的な方法で業務が行われているケースが多いです。「いつもやっているから」と慣習的な方法を変えないでいるために生産性が上がらない、ということもあるのです。
管理者としては、適切な人員体制づくりをしつつ、業務のムリ・ムダ・ムラを見極めて、現場の生産性を上げていくことが大切です。
(参照元 介護労働安定センター|令和3年度「介護労働実態調査」結果の概要について)
「現場をうまく回す」効果的な方法
では、どのようにすれば、現場をうまく回すことができるのでしょうか?ここからは、デイサービスの業務効率化を図るための具体的な方法を紹介します。
無駄な業務を削減する
デイサービスにはいろいろな業務がありますが、なかには職員がやる必要のない業務、力を入れすぎている業務もあります。
例えば、「連絡帳」の記入業務です。これは利用者の様子を家族に伝える業務ですが、記入に膨大な時間がかかる一方で、職員の労力に見合うほど読まれていないということも。実際に筆者の知り合いのデイサービスでは、連絡帳を廃止したところ、特段のクレームもなくサービスを継続できたケースもあります。廃止が難しいのであれば、記入内容を削減したり、電子化したりすることでも、業務効率をアップできるでしょう。
ルーチンで行っている業務ほどそれを「やること」が目的になってしまいやすいので、メリットの低い業務は削減するか、やり方を変えてみるようにしましょう。
無駄なモノを処分する
事業所内にモノが多いと、探す手間や取りに行く手間などが増え、業務効率が下がってしまいます。「いつか使うかも」と保管している物品やレクリエーション活動の作品など、普段使用しないモノは積極的に処分していくのも効率的に動くために大切です。パッと見てどこに何が保管されているかわかるようになれば、無駄な動きが少なくなり、ケア業務に集中しやすくなります。
業務のやり方を標準化する
介護現場では、職員の経験や勘を頼りに業務が行われがちです。勤続年数が長い職員であればそつなくこなすことができても、勤続年数が短い職員や新人介護職員には、やり方がわからず業務を行うのに時間がかかってしまうことも多いです。
経験年数を問わず、誰でも円滑に業務が行えるようにするには、業務のやり方を標準化することが大切です。マニュアルや貼り紙などの言葉にし、誰がやっても同じように速やかに業務が行えるよう環境を整備すれば、少ないマンパワーでも生産性を上げることができるでしょう。
ICTツールを活用する
職員間の情報共有、送迎表の作成や日々の介護記録などの効率を上げるには、ICTツールの活用が効果的です。
例えば、デイサービスの職員は送迎やカンファレンスなどで外出する機会が多く、必要な情報共有に時間がかかることがあります。このような場合でも、チャットツールを使えば伝達事項を速やかに申し送ることが可能です。
また、介護ソフトを導入すると、時間がかかりがちな介護記録・計画書作成業務の負担を大幅に減らすこともできます。
近年ではデイサービス向けに開発・提供されているICTツールもあるので、一度、ツールの使用感や操作感を試してみてはいかがでしょうか。
現場の実態を把握し、業務を最適化する
業務を効率化できれば、その分、デイサービスの利用者に対して手厚いケアを提供できますし、職員の働きやすさ・満足度も向上するでしょう。
ただし、業務効率化に向けて必要となる対策は各デイサービスで異なります。自事業所では、どのようなことが原因で現場の生産性が低下しているのか。現場の実態を的確に把握し、業務効率化に向けて適切な対策を行っていきましょう。
ケアの質向上と現場の働きやすさのために
デイサービス業界では、利用者の自立支援・重度化防止を目指した質の高いサービス提供とともに、人材の確保・生産性の向上といった課題が山積しています。事業者には、利用者にも介護従事者にも選ばれるより良い環境づくりが求められています。
しかしながら、デイサービスの業務は、日々の記録から利用者へのケア・送迎など業務量が多く、煩雑です。また、3年ごとに介護保険制度が改定されるため、それに合わせて体制を変えていく必要もあります。利用者やスタッフのために環境を整えたくても、課題が多く悩まれている方も多いのではないでしょうか。
弊社では、デイサービス向けに介護ソフト「はやまる」を提供しています。介護保険請求に加え、日々の記録・計画書作成・連絡帳・送迎管理・勤怠管理・売上予測管理など、デイサービスの業務全般をカバーする機能を搭載しています。「はやまる」を導入することで、デイサービスの業務全般を効率化でき、日々のケアに集中しやすくなるとともに、現場の働きやすさを向上することが可能です。
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プロフィール
田口 昇平 作業療法士/福祉住環境コーディネーター2級/取材ライター 作業療法士免許取得後、東京都内のリハビリ専門病院や介護施設などに勤務。 2018年よりフリーライターに転身。医療介護従事者への取材をしながら、現場の業務改善や労働環境づくりなど幅広いテーマで執筆。 |