一般的なサービスと同じように、デイサービスの事業を推進したり、拡大したりするには営業活動が大切です。安定して集客できれば売上がアップしますし、スタッフのモチベーションにもつながるでしょう。
ところで、そもそもデイサービス事業者は、どこに営業をかければ良いのでしょうか?ここでは、営業活動に悩んでいる管理者に向け、営業先や営業方法についてお伝えします。
なぜ、「営業」が必要なのか?
高齢化率が高まるに伴い、デイサービス(通所介護)の事業所数も増えています。厚生労働省の「介護サービス施設・事業所調査の概況」によれば、デイサービスは令和3年時点で全国に24,428事業所あり、5年前から比べると約1,000事業所増加しています。
(参照元 厚生労働省|令和3年介護サービス施設・事業所調査の概況、厚生労働省|令和2年介護サービス施設・事業所調査の概況、厚生労働省|令和元年介護サービス施設・事業所調査の概況、厚生労働省|平成30年介護サービス施設・事業所調査の概況、厚生労働省|平成29年介護サービス施設・事業所調査の概況)
デイサービスの数が不足している地域もありますが、全国的にはデイサービスの数が飽和状態にあることが示唆されています。
競合するデイサービスが増えたからこそ、事業者としては、新規利用者を獲得するために営業がより大切になります。事業所の存在や特長などをアピールしなければ、「いいデイサービス」として紹介してもらえず、利用者を獲得することができないからです。
デイサービス事業者の主な営業先
デイサービス事業者の営業先は、主に2つです。
居宅介護支援事業所
居宅介護支援事業所は、要介護者が自宅で自立した生活を送るために、ケアプラン(居宅サービス計画)の作成や介護サービスの調整を行う事業所です。ケアマネジャーが所属しており、デイサービス事業者のもっともメジャーな営業先となります。
ケアマネジャーは特定のデイサービスだけをおすすめすることはありませんが、魅力あるデイサービスであることをアピールできれば、紹介先の候補にピックアップしてもらえます。
地域包括支援センター
地域包括支援センターは、地域住民の健康維持や生活安定を目的にさまざまな支援を行う施設です。ケアマネジャーのほか、保健師や社会福祉士などの専門職を配置し、介護・保健・福祉といったサービスの利用手続きの紹介や援助を行っています。要支援の高齢者に対してはケアプラン作成に関わるサービスも行っており、営業することで、要支援者を紹介してもらえる可能性があります。
デイサービス事業者が行うべき営業方法
居宅介護支援事業所や地域包括支援センターなどに営業するには、どのような方法で行えば良いのでしょうか?ここからは、デイサービス事業者が行うべき営業方法を紹介します。
訪問営業
訪問営業は、居宅介護支援事業所や地域包括支援センターなどに直接出向き、直接営業する方法です。新規利用者の獲得を目指し、新たな紹介元を開拓するのに効果的です。パンフレットやチラシを持参し、自事業所のサービス内容や空き情報などをアピールしましょう。
なお、訪問営業は、先方の通常業務を妨げてしまう可能性があります。そのため、長々として説明は避け、端的に伝えることがポイントです。
モニタリング報告の活用
利用者数を増やすには、既存の紹介元との信頼関係を強化していくことも大切です。デイサービスでは、ケアマネジャーに対して利用者情報を伝えていく義務がありますが、「モニタリング報告」を営業ツールとして活用する方法もあります。
ケアマネジャーには、1ヵ月1回以上利用者の自宅を訪問し、利用者の状況確認やその記録が義務付けられています。けれども、月一回程度の状況確認では、利用者の変化を把握しきれないこともあるものです。利用者の様子や目標の達成状況など気づいたことを積極的に伝えていければ、信頼できるデイサービスとして、ケアマネジャーの評価につながるでしょう。
SNS・ホームページ・ブログでの情報発信
ケアマネジャーのなかには、デイサービスを探す時にSNS・ホームページ・ブログをチェックする方もいます。これらのツールは、デイサービスの様子をリアルタイムに知るのに便利です。例えば、イベントやレクリエーションなど日々の活動報告をアップすれば、業務の負担になりにくいですし、ケアマネジャーに等身大の様子を伝えることができるでしょう。
内覧会の開催
新規・リニューアルオープンするデイサービスでは、内覧会を開催するのもおすすめです。ケアマネジャーや地域住民などに足を運んでもらうことで、デイサービスの雰囲気や設備・特長などを直接伝えることができます。
利用者獲得につなげるには、差別化も必要
今回は、デイサービスの利用者数を増やすために事業者が行うべき営業についてお伝えしました。利用者を獲得するには、デイサービスの存在を知ってもらったり、信頼関係を強化したりすることが大切です。
ただし、「営業」を「利用者獲得」につなげるには他の事業所との差別化も必要です。特に、デイサービス事業者が多い地域では他にない特長をアピールしないと、数ある事業者のなかに埋もれてしまうでしょう。
自分たちの強みは何か。アピールポイントを整理して、営業活動を行っていきましょう。
ケアの質向上と現場の働きやすさのために
デイサービス業界では、利用者の自立支援・重度化防止を目指した質の高いサービス提供とともに、人材の確保・生産性の向上といった課題が山積しています。事業者には、利用者にも介護従事者にも選ばれるより良い環境づくりが求められています。
しかしながら、デイサービスの業務は、日々の記録から利用者へのケア・送迎など業務量が多く、煩雑です。また、3年ごとに介護保険制度が改定されるため、それに合わせて体制を変えていく必要もあります。利用者やスタッフのために環境を整えたくても、課題が多く悩まれている方も多いのではないでしょうか。
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プロフィール
田口 昇平 作業療法士/福祉住環境コーディネーター2級/取材ライター 作業療法士免許取得後、東京都内のリハビリ専門病院や介護施設などに勤務。 2018年よりフリーライターに転身。医療介護従事者への取材をしながら、現場の業務改善や労働環境づくりなど幅広いテーマで執筆。 |