新LIFEシステム|変更点から介護事業者が対応する手続きについて

お役立ち情報

令和6年度の介護報酬改定を踏まえ、4月22日より、新LIFEシステムが一部稼働開始となりました。LIFEの利便性向上等を目的としたシステム更改です。8月1日には現行LIFEシステムのサービスが終了し、新システムが本格稼働します。
システム更改に伴い、現行LIFEを使用している介護事業者は、新システムへの移行作業が必要です。厚生労働省は、「介護保険最新情報Vol.1227」で、システム更改について通知しています。
ここでは、本資料をもとに、システム更改に伴う変更点から事業者が対応する手続きまでをお伝えします。

現行→新LIFEシステムの変更点

エビデンスに基づいた介護サービスの提供を目的に、令和3年度に運用を開始した科学的介護情報システム(以下、LIFE)。「入力画面の表示が分かりにくい」「操作方法が難しい」といった指摘を受け、令和6年度介護報酬改定に併せて、システムが一部変更されました。
新LIFEシステムの主な変更点は、以下の4点です。

 

(参照元 厚生労働省|介護保険最新情報Vol.1227

新システムに変更したことで、ハガキの到着を待たずに、LIFEを利用開始できるようになりました。また、ヘルプデスクに問い合わせずともパスワードのリセットができるように。事業者からすると、LIFEにアクセスする際のストレスが少なくなった形です。
さらに、「操作職員」「管理ユーザー」ともに計画書等の様式情報の登録が可能となり、書類を入力・提出するにあたり利便性が向上しています。

新LIFEシステムへの移行スケジュール

現行LIFEシステムは令和6年8月1日にサービス終了、それに併せ、新LIFEシステムが本格稼働します。

現行LIFEシステム LIFEシステム
410日:通常稼働 422日:一部稼働開始

(7月 31 日までは利用者情報及び ADL 維持等情報に限り登録可能)

411日~7月末:データ参照のみ可(様式情報の提出は不可)
81日:サービス終了 8月1日~:本格稼働開始(令和6年度改定対応の様式情報の登録可能)

システム更改に伴い、(現行LIFEシステムを利用している)介護事業者が対応する手続きは2つです。

事業者が対応する手続き① 利用登録・移行作業

新LIFEシステムのURLにアクセスし、パスワードの再設定や現行LIFEのバックアップファイルの取り込み等、利用登録・移行作業を行います。
移行手順は、新LIFEシステムページ内の「操作マニュアル・よくある質問等」内に格納されている『LIFE移行ガイド[zip]』に掲載されています。詳細は、こちらをご覧ください。

 

(参照元 厚生労働省|LIFE 科学的介護情報システム

 

  利用登録・移行作業までのステップ
LIFEシステムURLにアクセスする
操作マニュアル・よくあるご質問等をクリックする
LIFE移行ガイド[zip]をダウンロードする
ガイドを見ながら、新LIFEシステムの利用登録・移行作業を行う

事業者の手続き② 遡り入力

令和6年4月 11 日~7月 31 日までは、現行・新LIFEシステムともに、利用者情報及び ADL 維持等情報以外のデータ提出を行うことができません。そのため、令和6年4月~8月の間にLIFE 関連加算の算定を行う場合、「令和6年8月1日~10 月 10 日」の期間に、様式情報を提出(遡り入力)する必要があります。
原則10月10日までが遡り入力期間となっていますので、データ提出を忘れないよう注意しましょう。

(参照元 厚生労働省|介護保険最新情報Vol.1227

以上が、LIFEシステム更改に伴う事業者が対応する手続きです。

ADL維持等加算の算定要件も一部変更あり

デイサービスでは、 LIFE 活用等が算定要件として含まれる加算が5つあります。このうち、令和6年度報酬改定では、「ADL維持等加算(Ⅰ)・(Ⅱ)」の算定要件が変更されています。

LIFE関連加算 変更有無
科学的介護推進体制加算
個別機能訓練加算(Ⅱ)
ADL維持等加算(Ⅰ)・(Ⅱ)
栄養アセスメント加算
口腔機能向上加算(Ⅱ)

 

変更点は、①ADL利得計算式の簡素化(調整係数の一本化)、②ADL維持等加算(Ⅱ)の算定に必要なADL利得が「2以上→3以上」になった2点です。

 

 

(参照元 厚生労働省|ケアの質の向上に向けた科学的介護情報システム(LIFE)利活用の手引き

 

「アウトカム評価の充実」と謳っていますが、事業者の立場からすると、算定要件が厳格化された形です。今後は、日常生活能力に重点を置いた質の高いサービスと、その結果がより一層重要視されていくでしょう。

なお、ADL維持等加算の概要や変更点は以下の記事に詳細をまとめています。ADL維持等加算の算定をご検討されている、算定要件の変更点を確認したい等、ご活用いただければ幸いです。

 

≪参考≫

【令和6年度改定対応】ADL維持等加算の概要と変更点を紹介

 

まとめ

令和6年4月10日に現行LIFEシステムの通常稼働が終了し、8月1日から新LIFEシステムの本格稼働が開始します。ここでは、新LIFEシステムの変更点・移行スケジュール等を紹介しました。
本格稼働に向け、事業者が対応する手続きは2つです。

1.新LIFEシステムの利用登録・移行作業
2.令和6年8月1日~10月10日の期間内の遡り入力(※令和6年4月~8月の間にLIFE 関連加算の算定を行う場合)

特に、「2.遡り入力」は、遡り入力(データ提出)期間を過ぎると加算算定ができなくなってしまう可能性があるので注意が必要です。
新LIFEの専用ページでは、操作マニュアルや問い合わせ等が設けられています。こちらを活用しながら、システム変更の手続きを進めていきましょう。

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プロフィール

田口 昇平

作業療法士/福祉住環境コーディネーター2級/取材ライター

作業療法士免許取得後、東京都内のリハビリ専門病院や介護施設などに勤務。

2018年よりフリーライターに転身。医療介護従事者への取材をしながら、現場の業務改善や労働環境づくりなど幅広いテーマで執筆。