【令和6年度改定対応】デイサービスの栄養アセスメント加算について

お役立ち情報

近年、リハビリ・口腔機能とともに、栄養面へのアプローチが重要視されてきています。デイサービスにおいて、栄養面の取組みを評価するひとつが「栄養アセスメント加算」です。管理栄養士との連携や栄養評価などを算定要件としていることから、比較的導入しやすい加算です。
ここでは、栄養アセスメント加算の概要を紹介するとともに、単位数や算定要件などについてお伝えします。

栄養アセスメント加算とは?

「栄養アセスメント加算」は、栄養改善を必要とする利用者を把握し、栄養アセスメント(評価)を実施した際に算定できる加算です。通所系サービスにおける栄養ケア・マネジメントを強化する目的で、令和3年度の報酬改定で新設されました。
要介護高齢者においては、低栄養状態に陥っている方が少なくありません。食事量が十分摂取できず、栄養不足から活動量が減り、ますます食事が摂取できなくなる。このような栄養不足による悪循環にならないよう、デイサービスにも対策が求められています。

栄養改善加算との違いは?

デイサービスには、栄養に関連する加算として、栄養アセスメント加算のほかに「栄養改善加算」があります。こちらは低栄養状態に陥っている、またはその恐れのある利用者に対し、栄養状態を改善するサービスを提供した場合に算定できる加算です。

 

栄養アセスメントと栄養改善加算は併算定できません。ただし、栄養アセスメントと加算にもとづく評価の結果、栄養改善加算に関わる栄養改善サービスの提供が必要とされた場合は、栄養アセスメント加算の算定月でも栄養改善加算を算定することが可能です。

 

(参照元 日本栄養士会|令和 3 年度介護報酬に関する質問と回答(Vol.5)

 

栄養アセスメント加算の単位数・算定要件

栄養アセスメント加算の単位数と算定要件は、以下の通りです。

 

単位数 50単位/月
算定要件 ・事業所の職員として、または外部との連携により管理栄養士を 1 名以上配置していること。

・利用者ごとに、管理栄養士、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種が共同して栄養アセスメントを 3 か月に1回以上実施していること。

・利用者または家族に対して栄養アセスメントの結果を説明し、必要に応じ栄養管理上の課題に応じた栄養食事相談、情報提供等を行うこと。

LIFE を用いて、利用者ごとの栄養状態等の情報を厚生労働省へ提出し、フィードバックを受け、利用者の状態に応じた栄養管理の内容決定、決定に基づく支援の提供、支援内容の評価、評価結果を踏まえた栄養管理の内容の見直し・改善の一連のサイクルによりサービスの質の管理を行うこと。(LIFE への提出情報及びフィードバック情報を活用)

・定員超過利用・人員基準欠如に該当していないこと。

 

(参照元 厚生労働省|令和3年度介護報酬改定の概要(栄養関連)日本健康・栄養システム学会|令和3年度介護報酬改定対応:介護サービスにおける栄養ケア・マネジメントの実務の手引き(初版)

 

「管理栄養士」は、外部に依頼することでも算定要件を満たすことができます。
ただし、この場合、他の介護事業所・医療機関・介護施設・日本栄養士会や都道府県栄養士会が運営する栄養ケア・ステーションの管理栄養士に限ります。また、介護施設においては、常勤で1以上、または栄養マネジメント強化加算の算定要件の数を超えて管理栄養士を配置している施設限定です。
外部の管理栄養士に協力を依頼する際は、上記の条件にあてはまるか確認が必要です。

栄養アセスメントの流れ

栄養アセスメントは、3か月に1回以上実施する必要があります。実際には、次のように
行います。

① 利用者ごとの低栄養状態のリスクを利用開始時に把握する
② 管理栄養士と共同し、利用者ごとの摂食・嚥下機能および食形態に配慮しながら、解決
すべき栄養管理上の課題を把握する
③ 栄養アセスメント(①・②)の結果を利用者または家族に説明し、必要に応じ、解決すべき栄養管理上の課題に沿った栄養食事相談、情報提供を行う
④ 低栄養状態にある利用者またはその恐れのある利用者については、ケアマネジャーと情
報を共有し、栄養改善加算に関わる栄養改善サービスの提供を検討するよう依頼する

上記に加え、栄養アセスメント加算では、「利用者の体重を1か月ごとに測定すること」が求められます。

栄養あってこそのリハビリ・機能訓練

多くのデイサービスでは、リハビリ・機能訓練が積極的に行われています。利用者の自立支援・重度化防止を図るには、活動機会をたくさん提供することが大切です。
しかしながら、どのような活動をするにしても、そもそもの栄養がないと思ったような効果があがりません。カロリー不足で力が発揮できない、たんぱく質不足で筋肉がつかないといったように。栄養あってこそのリハビリ・機能訓練です。
利用者一人ひとりがしっかりと栄養摂取できているか、その足がかりとなるのが栄養アセスメント加算です。リハビリ・口腔、そして栄養の一体的な取組が盛んに謳われており、今後もますますその重要性が高まっていくでしょう。
自施設のより一層のサービス提供体制強化を考えているのであれば、栄養アセスメント加算の取得を検討してみてはいかがでしょうか。

「はやまる」なら、各種栄養関連の加算に対応!

弊社では、計画書作成支援システム「はやまる」を提供しています。日々の介護記録から請求業務まで、デイサービスの業務を一元化。栄養アセスメント加算、栄養改善加算はもちろん、LIFEに関連する各種加算算定に対応しています。
「利用者人数×100円」(月額)という利用料金だけでなく、専門スタッフによる導入サポート・アフターフォローも大変ご好評いただいております。
本ホームページより、詳しい資料をダウンロードいただけます。無料デモや加算に関するご相談等も承っておりますので、ぜひお気軽にご活用ください。

はやまるについてはこちらはクリック

 

プロフィール

田口 昇平

作業療法士/福祉住環境コーディネーター2級/取材ライター

作業療法士免許取得後、東京都内のリハビリ専門病院や介護施設などに勤務。

2018年よりフリーライターに転身。医療介護従事者への取材をしながら、現場の業務改善や労働環境づくりなど幅広いテーマで執筆。