間違えると算定ができない?! 科学的介護推進体制加算の過誤請求対策

お役立ち情報

2024年4月に介護保険の報酬改定が行われ、10月10日にLIFEの遡り提出期限も終了いたしました。
未だLIFE関連の加算を算定されていない事業所様は事前の情報収集として、既に算定済みの皆様は、おさらいとしてご覧いただけるよう「科学的介護推進体制加算」加算について評価・提出方法をご紹介いたします。

科学的介護推進体制加算とは

科学的介護推進体制加算とは科学的介護システム(以下LIFE)を活用している事業所を評価するための加算です。
LIFEへ情報の提出時に発行されるフィードバックを活用し、PDCAサイクルを回すことで科学的根拠に基づいた質の高いサービスの提供も必要とされています。

対象となるサービス

対象となるサービスは下記のとおりです。

  • 通所介護
  • 地域密着型通所介護
  • 認知症対応型通所介護(予防含む)
  • 特定施設入居者生活介護(予防含む)
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護
  • 認知症対応型共同生活介護(予防含む)
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 看護小規模多機能型居宅介護
  • 通所リハビリテーション(予防含む)

通所系・居住系・多機能型サービスは月40単位です。

 

科学的介護推進体制加算(Ⅰ)または(Ⅱ)の対象介護サービス

施設型サービスの場合、(Ⅰ)40単位、(Ⅱ)50又は60単位となります。

  • 介護老人福祉施設
  • 地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護
  • 介護老人保健施設
  • 介護医療院

 

算定要件

対象者や算定要件については下記のとおりです。

※通所介護を例に挙げています。

 

対象者 利用者全員
単位数 40単位※通所介護の場合
算定要件 事業所又は施設の全ての利用者等について、「基本情報」、「総論」、「口腔・栄養」及び「認知症」の任意項目を除く情報を、やむを得ない場合を除き提出すること。

 

提出頻度

2024年4月に行われた報酬改定で、LIFEへの提出は少なくとも3か月に1へと変更になりました。

改めて、評価・提出についてみていきましょう。

 

科学的介護推進体制加算の評価・提出は下記のとおりです。

  1. 本加算の算定を開始しようとする月においてサービスを利用している利用者等については、当該算定を開始しようとする月
  2. 本加算の算定を開始しようとする月の翌月以降にサービスの利用を開始した利用者等については、当該サービスの利用を開始した日の属する月
  3. 1又は2の月のほか、少なくとも3か月に1回ごと
  4. サービスの利用を終了する日の属する月

 

また、提出情報は、利用者ごとに、以下の時点における情報とすること。

  • (1)アに係る提出情報は、当該算定開始時における情報
  • (1)イに係る提出情報は、当該サービスの利用開始時における情報
  • (1)ウに係る提出情報は、前回提出時以降の評価時点の情報
  • (1)エに係る提出情報は、当該サービスの利用終了時における情報

 

3か月に1回の提出という要件の他に、サービス利用開始時、終了時にも提出が必要なため注意が必要です。

 

提出方法

LIFEシステムへ提出する方法は2種類あります。また、提出方法についての指定はありません。

 

  1. データを取り込む方法
  2. LIFEシステムへ直接入力する方法

 

フィードバックについて

LIFEシステムから受け取れるフィードバックを活用することも求められています。

フィードバックでは、各施設・事業所において実施した取組と、LIFEデータの時系列変化や全国の同じような利用者との比較結果が確認できます。

比較することで効果や、自事業所の強みなどが把握できます。

厚生労働省もフィードバックの様式を変更し、見やすい工夫もされているため更なる活用を求められることが予想されます。

 

算定方法

実際に算定する場合、下記の手順を踏む必要があります。

  1. LIFEシステムの登録
  2. 利用者・ケアマネージャーへの周知
  3. 自治体へ加算の届け出を行う
  4. 算定開始月に評価を行う。
  5. 翌月10日までにデータを提出

 

まずは、LIFEシステムへ利用申請を行いましょう。

利用にあたっては、国保連から発行されるIDPWが必要になりますので所属の国保連へ問い合わせが必要です。

また、算定月を決めたらケアマネ―ジャーやご利用者様へ新たに算定を行うことの周知と併せて自治体への加算の届け出を行いましょう。

算定月に評価を行い翌月10日までにLIFEシステムへ提出を行いましょう。

 

※自治体への加算届は毎月15日が期限となっています。15日までに届け出を出された場合、翌月から算定が可能です。

 

提出を忘れた場合

科学的介護推進体制加算は1名でも提出を忘れてしまった場合は、全員算定不可となりますので注意しましょう。

また、提出遅延や提出漏れがあった場合、過誤請求が必要となります。

しかし「やむを得ない場合」であれば、提出が遅れても算定が可能と定められています。

厚生労働省の「介護保険最新情報Vol.1316」には下記の様に掲載されています。

 

利用者の状態が急激に悪化した場合や、入院、システムトラブルが「やむを得ない場合」に該当すると定められています。

 

更に「やむを得ないシステムトラブル」については下記のように設定されています。

 

上記に該当する場合であれば期日までに提出ができない場合でも算定が可能です。

しかし、必ず「提出が困難であった理由」を介護記録などに明記しておく必要があります。

 

まとめ

科学的介護推進体制加算のポイントをまとめましょう。

  • サービス種別によって、単位数や必須項目が異なります。
  • 「少なくとも3か月に1回」以外にも細かな提出ルールがあります。提出漏れがないようにしましょう。
  • 提出だけではなく、フィードバックの活用も求められます。
  • 提出が遅れてしまった場合「やむを得ない場合」を除き、該当の月は全員算定ができなくなり、既に請求してしまった場合は過誤請求が必要です。

正しく評価・提出を行い、科学的根拠に基づいた質の高いサービスの提供を目指しましょう。

 

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