栄養アセスメント加算の算定方法と介護報酬改定の影響

お役立ち情報

算定要件

栄養アセスメント加算は、利用者の食事内容や摂取状況、さらには身体的な状態を考慮し総合的なアセスメントを行います。

またLIFE関連加算のひとつで単位は50単位/月になります。

以下が算定要件になります。

 

  • 従業者又は外部との連携により管理栄養士を1名以上配置
  • LIFEに少なくとも3か月に1回情報を提出
  • 管理栄養士、看護職員、介護職員、生活相談員その他職種の者が共同して実施

※口腔・栄養スクリーニング加算()、栄養改善加算との併算定は不可

 

令和3年度介護報酬改定の概要(栄養関連)から抜粋

LIFE提出スケジュール

栄養アセスメント加算

  4 5 6 7 8 9 10 11
毎月利用
5月利用無し  
6月から利用開始    
7月利用無し  
8月サービス終了      

少なくとも3ヶ月に1回の提出が必要になります。

3ヶ月のうち3ヶ月目に利用が無かった場合、翌月には提出する必要があります。

 

〇→利用あり ピンク→提出月 公益社団法人日本栄養士会を参考

 

評価項目

まず、身体測定が挙げられます。体重、身長、BMIは、基本的な健康状態を示す指標として重要です。次に、食事摂取状況の評価が必要です。最近の食事内容や摂取カロリー、特定の栄養素の摂取量を確認します。さらに、血液検査の結果を基に、特定の栄養素の不足や過剰についても評価します。特に、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの血中濃度は、栄養状態の重要な指標となります。加えて、身体機能の評価も重要です。筋力や活動量、日常生活動作の能力などをチェックすることで、全体的な健康状態を理解できます。

さらに現在の栄養状態や食生活の習慣を明らかにします。食事の好みやアレルギーの有無も確認することも重要項目のひとつになります。

 

評価基準の設定

まず、基本的な身体指標として、体重やBMIの正常範囲を確認し、それを基準にすることが一般的です。これにより、利用者の身体状態が適切かどうかを判断する基準が整います。次に、食事摂取量に関しては、各栄養素の推奨摂取量(DRI)を参照し、個別のニーズに応じた基準を設定します。特に、高齢者に多く見られる栄養不足や特定の疾患に対する必要な栄養素の摂取基準を明確にすることがポイントになります。さらに、血液検査の結果についても基準値を設定し、特定の栄養素が正常範囲にあるかどうかを評価します。これにより、必要な介入を行う際の指標が明確になります。低栄養リスクがあると判明した方には、栄養改善計画書を作成し具体的な食品選択や調理法、食事の頻度などの相談や、食材の購入や調理に関する指導も行います。

 

よくある質問

ここで栄養アセスメント加算に関するよくある質問をご紹介いたします。

 

① 栄養アセスメントを行う頻度は?

→アセスメントは3ヶ月に1回以上、体重は1ヶ月ごとに測定することで毎月算定が可能です。

 

② 栄養ケア計画書は必要か?

→必要ございません

 

③ 外部の管理栄養士とはどこに所属の管理栄養士でしょうか?

→他の介護事業所(栄養アセスメント加算の対象事業所に限る)医療機関、介護保険施設(栄養マネジメント強化加算の算定要件として規定する員数を超えて管理栄養士を置いているもの又は常勤の管理栄養士を1名以上配置しているものに限る。)又は公益社団法人日本栄養士会若しくは都道府県栄養士会が設置し、運営する「栄養ケア・ステーション」との連携により、管理栄養士を1名以上配置して行うものである。

 

全国での栄養アセスメント加算の状況

栄養アセスメント加算は2021年度の報酬改定で新設された比較的新しい加算です。

令和4年の公益社団法人全国老人福祉施設協議会が行った調査では算定率が5.2%と結果が出ております。

LIFE関連加算の科学的介護推進体制加算が50%近くある中で5.2%と算定率が低い加算となっております。

その要因としては言われているのが、管理栄養士を1名以上配置しなければいけないという厳しい人員配置かと思われます。

 

報酬改定による変化

令和 3 年度の改正により栄養アセスメント加算が新設され、栄養改善加算は150単位から200単位に増えました。

また栄養改善加算は栄養士が必要時に居宅への訪問が求められるようになりました。栄養改善加算はアセスメントから低栄養の方と判明したかたのみ算定できるようになり、施設はより詳細な栄養状態評価を実施することが求められるようになっています。また、改定に伴い、利用者のニーズに応じた個別的な栄養支援の必要性が強調されるようになりました。これにより、施設における食事内容や栄養管理方針の見直しが進められ、利用者に応じた柔軟な対応が求められています。LIFE関連加算であるためにデータ収集が義務づけられております。

栄養アセスメント加算が新設され、専門職の配置を進める動きが見られます。一方で、改定による新たな算定基準に対応するために、施設内部の体制を見直さなければならないという声も多く聞きます。一部の小規模施設では、専門職を確保することが難しく、改定による負担が増えることへの懸念が表明されています。資金的なリソースや人材の不足が、改定による課題として浮上しています。

まとめ

通所介護における栄養アセスメント加算は、利用者の健康状態を的確に把握し、質の高い介護サービスを提供するための重要な指標となっています。

令和3年度の介護報酬改定によって、実施基準や加算点数の見直しが行われ、栄養管理の重要性が一層強調されました。利用者に対するアセスメントの質が向上し、個別の健康ニーズに応じた対応が求められるようになっています。

関連資料

令和3年度介護報酬改定の主な事項 

別紙様式5-1(栄養スクリーニング・アセスメント・モニタリング(通所・居宅)(様式例))、別紙様式5-2(栄養ケア計画書(通所・居宅)(様式例))